家電量販店のベスト電器福岡本店や、老舗そば店「みすゞ庵」が入居する福岡市中央区天神の商業ビルが再開発される見通しとなった。不動産関係者によると、大手ゼネコンの大成建設がビルを取得する方向で調整している。
「ベスト電器福岡店・みすず庵共同ビル」は、1994年に完成し、地上12階、地下3階建て、延べ床面積1万3000平方メートル。ベスト電器が1~7階で営業している。来年以降にビルは取り壊される見通し。
みすゞ庵は52年に開業し、現在は1階で営業中だが、人手不足を理由に今年12月20日に閉店する。
ビルの跡地は、大成建設がホテルやオフィスへの再開発を検討しているとみられる。
ベスト電器は53年に福岡市で創業。家電量販店の競争激化で2017年にヤマダ電機の完全子会社となり、21年に同社に吸収合併されたが、ベスト電器のブランドは維持された。
再開発についてベスト電器を展開するヤマダホールディングスは「現時点でお答えできることはない」としている。
また、ベスト電器福岡本店の北側に隣接する「福岡天神フコク生命ビル」を所有する富国生命保険は当初、両ビルの一体開発を検討していた。しかし、建築費高騰などによってフコク生命ビルを建て替えずに、リニューアルする方向で検討している。
フコク生命ビルは78年に完成。地上15階、地下2階建てで、オフィスや飲食店が入居している。【中園敦二】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。