第三セクター・平成筑豊鉄道(福岡県福智町)の存廃を議論する法定協議会は20日、今後30年間で発生する自治体負担の赤字額を検討案別で試算し、公表した。一般道を使う路線バスに転換した場合の累積赤字は110億円で、検討案のなかでは最も赤字幅が小さかった。同協議会は2025年度中に新たな公共交通の方針を決めるとしている。

現在検討している①鉄道の所有と運行を分ける上下分離②バス高速輸送システム(BRT)への転換③路線バスへの転換――の3つのシナリオについて、物価高の影響やより詳細な運用体制などをふまえて試算した。

その結果、上下分離で鉄道の運行を維持した場合は439億円、BRTならその3分の1の148億円、路線バスは同4分の1の110億円となった。

同日に福岡市内で開いた協議会で示した。協議会では、BRTや路線バスに転換する場合、新たに必要となる運転手の確保について懸念の声もあったという。試算想定では、どちらのシナリオでも40人前後の運転手が必要となる。

平成筑豊鉄道は福岡県内の田川、直方、行橋の3市を結ぶ3路線(約49キロ)などを運行する。利用客の減少や施設の老朽化に伴う費用増などで赤字が続き、沿線自治体などの補助金で存続してきた。

県や沿線9市町村などで構成される同協議会は今後意見交換などを行い、25年度中にも方針を決めるとしている。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。