
東ソーは21日、神奈川県綾瀬市にある東京研究センターで新たな技術開発拠点の工事が完了したと発表した。免疫や遺伝子の診断機器や医薬品製造の計測機器など、バイオサイエンス事業を中心に先端事業の新規技術開発を進め、全社の競争力を底上げする。
東京研究センターは同社において、先端技術の研究開発を担っている。高機能材料の研究機能を持つ南陽事業所(山口県周南市)と石油化学製品の研究を担う四日市事業所(三重県四日市市)と並ぶ重要拠点だ。
地上5階建て、延べ床面積約1万2000平方メートルの新研究棟では、バイオサイエンス事業用のクリーンルームや装置開発エリアなどを設けた。新たな検査機器や、バイオ医薬品の製造工程で使われる培養器材などの研究開発を進める。セミナー会場や製品展示を設けたイノベーションセンターも新設し、技術の社外発信を強化する。

同社は糖尿病診断システムや免疫診断システムなどの検査機器を手掛けており、特に糖尿病診断システムは日本や欧州市場を中心に高いシェアを持つ。
既存施設のリニューアルも進める。環境・エネルギーや電子材料研究を担う研究棟は2026年6月に完成予定で、電子材料向けクリーンルームなどの設備を備える。高速大容量通信用の材料や半導体関連の材料、二酸化炭素の分離回収技術などの研究を進める。
同社は28年3月期を最終年度とする中期経営計画で、バイオサイエンスや高機能材料などの先端事業の営業利益を25年3月期比4割増の808億円とする目標を掲げている。
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