鹿島は21日、東京都下水道局が発注した雨水幹線のトンネル工事で発注者に相談せず部材を削る不適切な作業があったと発表した。トンネルを構成する鉄筋コンクリート製の部材が想定通りに組み立てられず、削って工事を進めた。同社は構造検査のほかトンネル内部や地表の確認により「現時点で安全を確認している」(同社)とする。

工事は江東区と江戸川区をまたぐ雨水幹線の地下トンネルで、該当の工区の工事は既に完了している。同社はこれまでの調査で、2つの工区でそれぞれ2012年7月と17年2月に不適切な作業があったとみている。

2025年8月19日に鹿島に匿名の通報があったことで発覚した。

2カ所でシールドトンネルの「セグメント」と呼ぶ部材を削った。厚さ475ミリメートルの部材を数ミリメートル程度、同350ミリメートルの部材を20ミリメートル程度削ったと推定する。鹿島は「実態把握と原因究明に全力を尽くし、再発防止に向けた取り組みを徹底する」とし、全容解明の調査を進めている。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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