
出版取次大手の日販グループホールディングス(GHD)が21日発表した2025年4〜9月期の連結決算は、営業損益が16億円の赤字(前年同期は2400万円の赤字)だった。本業の取次事業で物流コストが高騰し、赤字幅が広がったことが響いた。
本業の取次事業では営業損益で26億円の赤字(前年同期は10億円の赤字)だった。出版社から書店に本を運ぶトラックなどの物流費の高騰が利益を圧迫した。
純利益は前年同期比3倍の3億3600万円だった。閉鎖した物流拠点の不動産売却益を21億円計上したことで利益を押し上げた。売上高は前年同期比12%減の1633億円だった。
日販はコンビニエンスストア向けの雑誌配送を同じ取次大手のトーハンに順次移管し、6月にコンビニ向けの物流から完全に撤退した。雑誌の配送先が書店だけになったことを受け、東京都練馬区に持っていた物流拠点を閉鎖した。26年3月期の下期にはこれに伴うコスト削減の効果が出るが、通期でも取次事業で経常赤字を見込む。
同日の決算説明会で、日販GHDの小松和広最高財務責任者(CFO)は「祖業である取次事業の黒字化が最大の課題だ。できるだけ早期の黒字化を目指す」と話した。
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