
すしチェーン「元気寿司」や「魚べい」を展開するGenki Global Dining Concepts(ゲンキGDC)は25日、イクラの陸上養殖を始めると正式発表した。養殖業者のひらやま(熊本県八代市)と連携し、共同で子持ちサーモンを育てる。2027年ごろに国内一部店舗で発売し、32年には海外店も含めた全店での提供を目指す。
ひらやまが熊本県八代市に持つ養殖用地内に直径5メートルのいけすを設け、サーモンの稚魚を飼育する。いけすの数を段階的に増やし、32年には1000槽規模に拡大する構想だ。総投資額は40億〜50億円規模となるもよう。最終的にサーモンは年間最大1000トン、イクラは40〜60トン生産する計画だ。

最終的な計画の規模で生産できれば、全国に展開する約190店で国産イクラとして販売できる。27年春ごろから一部店舗で提供を始める方針。1000槽規模に拡大する32年に、現在約240店展開する海外店を含めた全店での販売を目指す。
ゲンキGDCの藤尾益造社長は「今回の養殖進出で、国産サーモン・イクラを安定的に通年供給できるようになる。しかも輸入サーモン・イクラより低コストで生産できる」と話す。
ひらやまの陸上養殖システムは、養分が豊富な天然の地下水を掛け流しで使う。温度調整や水の殺菌設備など大がかりな装置は不要で、臭みのないサーモンが育つことで定評がある。ゲンキは当初、サーモン単独の養殖でひらやまと組む方針だった。養殖手法や成魚の状態などを検証したところ、サーモンの品質を維持した上でイクラも生産できると判断した。
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