中国路線は不透明感が出ている(静岡空港に駐機する国際線)

静岡県は10月の静岡空港(牧之原市)の搭乗者数が前年同月比18%増の6万6145人だったと発表した。同月として過去最多を更新し、搭乗率も最高の77%だった。韓国チェジュ航空のソウル線がけん引した格好で、「ソウル頼み」の構図は強まっている。県にとっては国際路線の一層の開拓が課題になる。

国際線は79%増の2万3767人で、うちソウル線は過去最多の1万9704人だった。便数が1日2往復と前年同月の2倍に増えたなかでも搭乗率は84%と好調だった。中国・上海線は63%増の3479人。2024年12月に就航した香港線は25年度の冬ダイヤから運休に入った。

国内線は1%減の4万2378人だった。フジドリームエアラインズ(FDA、静岡市)による福岡線の減便が響いた。全日本空輸(ANA)の新千歳線や沖縄線は好調だった。

静岡空港の搭乗者数は新型コロナウイルス禍前を超えた。ただ、東アジアの各方面に飛んでいた19年度と比べると、足元の国際線は3路線にとどまる。高市早苗首相の台湾有事に関する答弁を契機にした日中対立により、中国線の先行きも不透明だ。県は台湾方面の復便や東南アジア方面の新規路線就航などを急ぐ。

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