広島県知事に就任し記者会見に臨む横田氏(1日、広島県庁)

広島県知事に就任した横田美香氏が1日、県庁に初登庁し記者会見を開いた。米国の高関税政策について「広島の重要な問題だ」と述べ、状況を見極めながら必要な対策を打ち出していく方針を示した。

米トランプ政権は4月に日本には自動車関税27.5%をかけたほか、相互関税として24%を課すとしていた。日米交渉の結果いずれも15%に下がったものの依然、高水準だ。広島県内からの米国向け輸出額は2024年で6509億円に上り、うち自動車が70%を占める。

マツダは主力市場の米国の高関税政策が業績を直撃している。地域のサプライチェーン(供給網)を守るために広島と山口の工場での計70万台の生産を維持する方針を掲げている。マツダの供給網を担う企業は広島県内には2000社あるといわれている。

自動車関連以外にも多くの企業が高関税の影響を受けている。横田氏は会見で「県内企業から状況を聞きながら必要な対策にスピード感を持って取り組んでいく」と強調した。

横田氏は「喫緊の課題」として養殖カキの大量死を挙げた。県庁内に連絡会議を設けて被害状況の把握や効果的な対策の検討を進めるとした。

広島県は若者の転出超過が多いことが課題となっている。横田氏は「若者にとって魅力的な働く場所がたくさんあることが大事だ」と語り、地元企業の魅力発信や企業誘致などに力を入れる考えを示した。

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