日本郵船や商船三井、川崎汽船は1日、三菱重工業と今治造船が共同出資する次世代船設計会社MILES(マイルズ、東京・港)への資本参加を正式に発表した。ジャパンマリンユナイテッド(JMU、横浜市)や、今治造船とJMUが共同出資する日本シップヤード(東京・千代田)も加わり国内7社が連合する。海運と一体で造船復活を目指す。

7社は効率的に船舶の開発や設計を進める仕組みの構築に向けた覚書を交わした。二酸化炭素(CO2)の回収や貯留で使う液化CO2運搬船のほか、アンモニアを燃料とする次世代船の開発でも連携する。マイルズが開発や基本設計をし、国内の各造船所に活用してもらう共通基盤を構築する。

出資額は非公表。海運大手3社のほか、造船でも国内最大手の今治造船に加え2位のJMUなどが加わることで、オールジャパン体制での造船産業再興に弾みを付ける。日本の造船業は中国や韓国勢に押され、世界でのシェアを落としている。造船は経済安全保障の観点からも重要性が高まっており、海運と造船が手を携えテコ入れを急ぐ。

(久貝翔子)

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