2026年3月に開業する三省堂書店神田神保町本店の内装(イメージ)

関東を中心に20店舗を運営する三省堂書店は1日、建て替えのため一時閉店していた東京・神田神保町の本店を2026年3月に再開業すると発表した。本の売り場面積は旧本店の6割に減らし、売り上げは旧本店の5割を目指す。

「神田神保町本店」を26年3月19日、東京都千代田区に開業する。1月に竣工予定の自社ビルの1〜3階に入る。ビルは13階建てで、5階以上はオフィスとして貸し出す。

三省堂書店は1981年に本店機能を持つビルを建てたが、老朽化のため2022年に閉店し建て替えを進めていた。インターネットでの情報収集が一般化したことで本への需要が減り、22年には本店の売り上げがピーク時の1998年比で3分の1程度に落ち込んでいた。

三省堂書店の亀井崇雄社長(1日、東京都千代田区)

新たな本店には約50万冊の書籍・雑誌の在庫をそろえ、文具などの雑貨売り場やカフェも設ける。本の売り場面積は約600坪で、旧本店の6割に減らした。本を電子商取引(EC)で買う消費者も増え店頭での販売の見通しは厳しい。新店舗では旧本店の22年時点と比べて5割の売り上げを確保したいという。

店舗の売り上げ減は、オフィスとして貸し出すフロアの賃料で補塡する。同日都内で記者会見した三省堂書店の亀井崇雄社長は「厳しい戦いが待っているが、持続可能な書店運営を考えていかなければならない」と話した。

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