
電子決済サービスのトランザクション・メディア・ネットワークス(TMN)は2日から、新潟市内で路線バスのデジタルトランスフォーメーション(DX)化に向けた実証実験を始めた。市内での実証は3回目。バス乗降時の顔認識の精度向上が課題で、今回は乗車時の認識率8割を目標に顔認識ソフトを改良するなどして取り組む。
実証実験は次世代モビリティーの社会実装に向けた取り組みの一環で、新潟市の補助金を活用しながら新潟交通の路線バスで実施する。期間は21日までの20日間を予定し、新潟市中心部を走る浜浦町線や信濃町線の系統で実証する。
TMNによると、昨年度に実施した実証実験では乗車時に車載カメラで撮影した画像のデータの容量が大きく、通信が安定しないエリアでは人工知能(AI)による認識ができない事象が発生した。乗車時の認識率も5割に届かなかったという。

今回は車載機器で顔情報の切り出しをできるようにし、余分な情報を省いてデータが軽くなるようにソフトを改良した。さらにカメラの上部にタブレットを設置して注目を集めるようにすることで、認識率が向上するかどうかなども試す。
同社は顔認識の技術を使用した新たな乗車サービスの実用化に向けた開発を2027年度ごろまでにすることを目標にしている。同様の実証実験は群馬県渋川市でも実施していて、地域交通の課題解決にも貢献する。
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