第一三共は3日、開発するがん治療薬の技術が米同業シージェンの特許を侵害しているとして訴えられていた訴訟で、米国の連邦巡回区控訴裁判所が米国時間2日にシージェンの特許は無効だとする判決を出したと発表した。米国の地方裁判所が第一三共に損害賠償の支払いなどを命じていた判決は取り消される。

訴訟の対象になっているのは「抗体薬物複合体(ADC)」と呼ばれる技術で、第一三共の主力抗がん剤「エンハーツ」などに使われている。

2023年10月に米テキサス州東部地区連邦地方裁判所が第一三共に対し損害賠償に加え、22年4月〜24年11月までのエンハーツの米国における売上高の8%をロイヤルティーとしてシージェンに支払うよう命じる判決を出していた。第一三共はこれを不服とし米連邦巡回区控訴裁判所に控訴を提起していた。

第一三共とシージェンは2008年からADCの共同研究をしていたが、15年に新薬開発の成果が出ないとして関係を解消した。その後、ADC技術の知的財産権や特許権をめぐる争いが起きた。

【関連記事】

  • ・第一三共の抗がん剤技術、知財権認定 米社は控訴せず
  • ・第一三共の抗がん剤技術、米シージェンの特許無効が決定

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。