
秋田県大館市は4日、自動運航ドローンを使った物流の実証実験を公開した。医療機関の訪問診療を受けた特別養護老人ホームの高齢者に医薬品を届ける想定で実施した。ドローンは佐川急便の営業所からの約5.5キロメートルを片道10分ほどかけて往復した。
雪が舞う中、ドローンは地上約100メートルの高さから実験会場の老人ホームに着陸。全行程を自動で飛行した。ホームの職員が医薬品を受け取り、ドローンが出発地点に戻るまでを約1時間でこなした。
実験では雑貨や食品に比べ法規制が厳しい医薬品の定時配送の実現可能性や輸送コストを検証した。市は将来、周辺集落の郵便局などへの物資輸送にドローンを導入する方針で、民間の呼び込みを目指す。災害時の緊急物資輸送にも生かす。
実証実験はドローンが地上補助者なしで目視外の飛行をする「レベル3.5」で、国の補助金約2400万円を活用した。地方では公共交通機関の廃止で住民の買い物や診療に支障が出ている。宅配会社もドライバー不足を受けて、ドローン輸送に注目している。
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