
永谷園は25日、お湯を注ぐだけで食べられるカップ入りのおかゆを9月に発売すると発表した。フリーズドライ製法のおかゆは同社では初めて。体調不良時に食べるというおかゆのイメージを払拭し、おかずに合う新たな主食として消費者に提案する。
商品名は「めし粥(がゆ)」。お湯を注ぐと5分でおかゆができる。一般的なおにぎりが約100グラムで170キロカロリーなのに対し、水分が多いめし粥は約190グラムで95キロカロリー。「カロリーが気になるが食事を我慢したくない人」などの需要を見込む。


昼食時に「味付きのおにぎりを主食にすると、合わせるおかずの選択肢が限られる」「メニューが固定化している」などの悩みに応えた。低カロリーで満足感のある「めし粥」を手に取り、煮卵や唐揚げなど自由なおかず選びを楽しんでもらう。
本来の粒感を感じられるコメを、約50種類の国産米から選んだ。コメの表面同士がこすれて出る粉である「お米パウダー」を加えて、うまみや甘みを出した。
発売の背景に食事スタイルの変化がある。21日に都内で開いた説明会で、開発担当者の栗原紘明氏は「家族で食卓を囲むスタイルから(1人で食べる)個食になり、食事が簡便になった」と分析する。
永谷園によると、2020年に100億円程度だったカップ米飯市場は、2倍の200億円以上に成長。24年9月発売の「カップ入り お茶漬け」は、お湯を注ぐだけという手軽さが受け、25年6月時点で累計1000万食を販売した。
めし粥の内容量は24.1グラムで、希望小売価格は249円。9月1日から全国のスーパーマーケットで、8日からコンビニエンスストアで販売する。栗原氏は「おかずと一緒に食べる新たな主食として定着を目指す」と語る。

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