荷物専用の新幹線車両について説明するJR東日本の喜勢陽一社長(9日、東京都渋谷区)

JR東日本は9日、東北新幹線に荷物専用の車両を導入すると発表した。2026年3月から、山形新幹線で使っているE3系を改造して運行する。平日に1日1便を基本とし、盛岡市から東京都内に荷物を運ぶ。最大で約17トン、1000箱ほどを積載できる。果物や鮮魚など沿線地域の商品を首都圏で販売する事業者による利用を見込む。

同社は新幹線を使った荷物輸送サービス「はこビュン」を手掛けており、4月には最大200箱の大量輸送を可能とした。現在は旅客用の車両を使っているが、26年3月23日からは座席を取り除く改造を施した荷物専用車両を導入する。1編成は7両とする。

平日の正午ごろに盛岡新幹線車両センター(盛岡市)で荷物を積んで出発し、午後4時ごろに東京新幹線車両センター(東京・北)に到着するダイヤを予定する。東北新幹線の旅客車両と連結させる。

JR東日本の荷物専用車両の車内イメージ=同社提供

車内には荷崩れを防ぐベルトを設置し、かご台車のまま荷下ろしができる。車体には果物や鮮魚など地域を代表する特産品を描いてPRする。

今後は仙台市や新潟県と首都圏を結ぶ輸送も目指す。車内電源を活用してクーラーボックスを導入し、冷蔵品を運ぶことも検討している。

喜勢陽一社長は9日の記者会見で、「地元の生産者を支援するためのサービスだ。東京のマーケットは我々の側で責任を持って拡大させていく」と利用を呼びかけた。

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