TDKのパワーインダクター

TDKは9日、車載向けにノイズを抑制する役割を持つパワーインダクター(コイル)を開発したと発表した。小型化したうえで、電流を流しやすいよう抵抗値を下げて大電流に対応した。車の多機能化で車載向けの電源回路は搭載数が増え、処理能力の向上が求められている。高効率な電子部品を自動車部品メーカーなどに売り込む。

新製品は「BCL3520FTシリーズ」。長さ3.3ミリメートル×幅3.5ミリメートル×高さ2.0ミリメートル。同じ3.3ミリサイズの競合製品と比べて、直流の抵抗値を15%低減し、定格電流は28%高い。同サイズとしては業界最高水準という。

パワーインダクターは電圧を変換する電源回路で使う。これまで4ミリ品の既存製品があったが、さらに小型化して性能を高めた。独自の金属磁性材料を採用し、コイルを巻く内部構造を改良した。

先進運転支援システム(ADAS)や車載カメラなどの電源回路での搭載を想定する。価格は1個あたり税抜き100円で、まず月10万個量産する。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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