
三井金属は9日、8日夜に青森県東方沖で起きた地震により、傘下で亜鉛製錬を手掛ける八戸製錬(青森県八戸市)で操業が停止していると発表した。復旧のめどは立っておらず、被害状況を確認してから再開の時期を判断する。
地震発生時に操業を停止した。9日午後6時時点でも亜鉛製錬をはじめ各種設備が停止している。人的被害や環境問題は発生していない。
八戸製錬は亜鉛の生産能力が年間11万2000トンで、三井金属傘下の神岡鉱業(岐阜県飛騨市)や彦島製錬(山口県下関市)を上回る同社最大の生産能力を持つ。国内でも有数の規模だ。懸念される亜鉛サプライチェーン(供給網)については「影響が出ないよう対策を練っている」(同社)という。
同拠点では独自の製錬方法を採用している。亜鉛と鉛を同時に製錬できたり、金や銀、銅などの回収に有利だったりという特徴を持つ。生産する亜鉛製品は橋梁やガードレール、信号機の支柱など屋外構造物の防さび用めっき材料や、自動車用の亜鉛めっき鋼板などに使われる。
国内の亜鉛産業で三井金属はDOWAホールディングス(HD)と並ぶ主要メーカーだ。2025年度の亜鉛生産量(計画含む)は、三井金属が21万1700トン、DOWA HDが20万4018トンを見込む。東邦亜鉛は不採算を理由に亜鉛製錬からは撤退している。
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