河合塾グループは岩手県一関市での通信制高校の新設計画について地元関係者らと共に記者会見した(9日、盛岡市)

河合塾グループの河合塾学園(名古屋市)は9日に盛岡市で記者会見を開き、2027年4月に岩手県一関市で探究学習型の広域通信制高校を開校すると発表した。学生が県内外の拠点に滞在して地域住民や企業・自治体などと連携しながら様々な課題に取り組むのが特徴で、地域活性化の新たな形としても注目される。

新設する「ドルトンX学園高等学校」は1学年の定員150人で、全国から生徒を募る。26年9月ごろの県の認可を目指し、同10月に募集を開始する。1年生と3年生は一関市と東京都にあるNTT東日本の研修センターに半年ずつ滞在する。一関の本校は市から貸与された旧小学校校舎を改修する。

特徴的なのは2年生のプログラムで、国内外に設ける拠点の中から最大4カ所を選んで3カ月ずつ滞在する。午前中はオンラインで教科を学習し、午後は地域に出てフィールドワークや探究活動に取り組む。まちづくりや先端産業など各自が探究テーマを設定する。東北では岩手県八幡平市、釜石市、岩手町に地域拠点を設ける。

河合英樹理事長は岩手県を選んだ理由について「豊かな自然や文化に恵まれ、人口減などの課題先進地域ゆえに多くの学びがある」と説明した。東日本大震災からの復興も重要なテーマと位置づける。

記者会見に同席した佐藤善仁・一関市長は「若者の流入や地域ブランドの向上など、連携による地域の活性化や波及効果は多方面に広がる」と期待した。地元経済界も岩手銀行が探究学習の仲介などで協力する方針で、岩山徹頭取は「生徒たちと地元の学校や企業との化学反応が地域の持続的成長をけん引する」と話した。

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