日本が参画するベトナムの原発建設計画で、「優先的なパートナー」を外れていたことが9日、関係者への取材で明らかになった。経済産業省は「撤退ではない」と説明しており、今後も小型モジュール炉(SMR)などを含めて提案・協議を続ける方針だという。
関係者によると、ベトナムが別のパートナーを探すことで日本側と11月に合意したという。新たなパートナーとして、フランスや韓国、米国が念頭にあるとみられる。
ベトナムは2009年に中南部ニントゥアン省内に同国初の原発4基を建設する計画を策定。10年代に日本とロシアが「優先パートナー」に指定され2基ずつ建設する予定だったが、ベトナム側が建設費の高騰や対外債務の増加などを理由に、16年に白紙撤回した。
ベトナムは政権交代後の24年11月、国会決議を経て計画を再始動。撤回時の取り決めにより日露がパートナーに復帰したが、100万キロワット級の大型原発2基を32~35年に稼働させる目標に対し、日本側には「時間が足りない」との認識が広がり、計画を急ぐベトナム側との協議が平行線をたどっていた。【中島昭浩】
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