
世界の航空各社が加盟する国際航空運送協会(IATA)は10日までに、2026年の再生航空燃料(SAF)の生産量が前年比26%増の240万トンになる見通しだと発表した。増加ペースは25年(190万トン)の90%増から鈍化する。
25年の生産量は今年6月に示していた当初見込み(200万トン)から下振れする。ジェット燃料の消費量全体に占めるSAFの比率は25年は0.6%。26年も0.8%にとどまる見通し。
廃食油などを原料につくるSAFは、従来の航空燃料と比べ、原料の収集や生産、輸送や燃焼までの一連の流れの中で二酸化炭素(CO2)排出量を約80%削減できる。
IATAは航空の脱炭素化において本命視されるSAFの普及が進まない要因として、欧州連合(EU)の規制強化をあげる。
EUは25年から航空燃料にSAFを2%混合することを義務化した。この混合比率は段階的に引き上げられ、50年には70%にする必要がある。
IATAはSAFの市場がまだ本格的に立ち上がっていないなかで、EUが規制を敷いたことで「価格高騰の引き金となった」と主張する。欧州では航空会社が通常のジェット燃料価格の最大5倍の値段でSAFを購入するケースがあるという。
ウィリー・ウォルシュ事務総長は「稚拙な義務化がまだ始まったばかりのSAF産業の勢いを止めた。失敗から学び、制度を再設計すべきだ」とコメントした。
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