
環境に配慮した製品や技術を集めた展示会「エコプロ2025」(日本経済新聞社などが主催)が12日、最終日を迎える。再生可能エネルギーなどを使い植物と魚を同時に育てる次世代の農業「アクアポニックス」や、地域一体で安定してエネルギーを供給する「地域熱供給」など循環経済やエネルギーの効率運用の仕組みに注目が集まる。
エコプロは東京ビッグサイト(東京・江東)で10日から開かれている環境や自然災害対策などの総合展示会「SDGs Week EXPO 2025」の中の一つで、脱炭素に貢献する技術などが展示されている。
JFEホールディングス(HD)はホテルやレストランで出たごみを電気や肥料に変える取り組みを紹介している。微生物などの力で食品廃棄物を発酵させてガスをつくり、発電機で電気にする。発酵の過程で出たかすは米や野菜を育てる肥料として活用する。
資源エネルギー庁は冷暖房や給湯などの熱エネルギーを1カ所でまとめてつくり供給する「地域熱供給」の仕組みを展示している。ビルごとに個別で使うのが難しい地域の再生エネを地域熱供給プラントで一括管理して地域全体へ供給する。二酸化炭素(CO2)排出量の削減や排熱による外気の温度の上昇を防ぐ効果があるという。
Jパワーは東京電力パワーグリッド(PG)子会社のアジャイルエナジーX(東京・港)などと共に魚のフンを野菜など植物の栄養に循環させる次世代の農業「アクアポニックス」の仕組みを紹介している。
大気中のCO2を回収して植物の光合成に使ったり、廃棄した食べ物を魚のエサにしたりすることで植物と魚を同時に育てる。持続可能な食料生産につながるとして注目を集めている。
SDGs Week EXPOではエコプロのほか、「社会インフラテック」「カーボンニュートラルテック」「自然災害対策展」も同時に開いている。24年からは循環経済の推進を目指す「サーキュラーパートナーシップEXPO」も加わった。
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