滋賀銀行は環境関連の金融商品を相次ぎ開発してきた(大津市の本店)

滋賀銀行は新型の定期預金「びわ湖ブルー預金」の募集上限を当初の2倍の600億円に引き上げた。預入額の0.005%相当分を同行の負担で水・環境・生態系を守る研究に取り組む団体などに寄付するエシカル型で、環境意識の高い個人や法人からの預金が当初予想を超えるペースで増えているという。

12日現在の預入残高は422億円で、個人が9割、法人は1割を占める。7月1日に募集を始め、2026年3月までの9カ月間に300億円を集める目標だった。だが、10月には200億円に達したため、上限を引き上げた。滋賀銀の定期では最長の5年満期で、金利に上乗せはない。

個人の預金者には年1回、寄付先の研究成果がわかるリポートを送るほか、「おいしい水」に関連する食品などのギフトも用意する。法人に対しては記念盾を贈る。希望すれば滋賀銀のホームページで企業名を公開。すでに220社以上が掲載されている。

琵琶湖は関西に広く生活用水を供給する

滋賀銀の遠藤良則取締役常務執行役員はヒットの背景を「琵琶湖を守りたいという顧客の思いを形にしており、社会課題をビジネスで解決する当行の考えへの賛同が広がっている」と説明する。

7月1日は滋賀県が定めた「びわ湖の日」で、関西の広域に生活用水を供給する琵琶湖の環境保全を進める県条例が1980年に施行された際の記念日にあたる。滋賀銀は「環境先進県」とされる同県に本店を置く唯一の地銀として、びわ湖ブルー預金のようなESG(環境・社会・企業統治)関連の金融商品を相次ぎ開発してきた。

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