
オムロン子会社のオムロンヘルスケアは15日、縫製機械や医療機器部品を製造・販売する松屋アールアンドディ(R&D)にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。205億円を投じて完全子会社にする。同社は血圧計の腕に巻く帯などを手掛け、高い縫製技術を持つ。オムロンヘルスケアは買収を通じ、血圧計をはじめとする新商品の開発力を引き上げる。
2026年6月下旬めどに1株1110円で公開買い付けを始める。15日の終値(904円)に対して23%のプレミアム(上乗せ幅)を付ける。03年のオムロンヘルスケア設立以降、買収額は過去最大となる。買収資金は親会社のオムロンから借り入れる予定だ。
オムロンヘルスケアは松屋R&Dの発行済み株式の約15%にあたる316万株を持つ第3位株主。松屋R&Dの経営陣もTOBに賛同しており、創業家などから全体の3分の2以上を取得できる見通しだ。TOB成立後、スクイーズアウト(強制買い取り)の手続きを経て完全子会社にし、松屋R&Dは上場廃止となる見込み。
松屋R&Dは福井県大野市に本社を置き、東証グロース市場に上場する。25年3月期の連結売上高は95億円、純利益は15億円だった。自動縫製機を中心に、血圧計で使う腕帯なども得意とする。オムロンヘルスケアは血圧計などの商品開発の期間短縮やコスト競争力の向上には傘下に取り込むことが不可欠と判断した。
オムロンヘルスケアは1973年に血圧計を開発し、家庭用は5割の世界シェアを握る。病院向けも含めて血圧計全体の売上高は約1000億円に上る。
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