改装開業する神戸ベイシェラトンの19階には、神戸港や六甲山が一望できる展望風呂付きの客室もある(16日、神戸市)

神戸・六甲アイランドにある「神戸ベイシェラトンホテル&タワーズ」は20日から改装した高層階客室の提供をはじめる。2030年ごろに予定する神戸空港の国際定期便就航や大阪府で開業予定の統合型リゾート(IR)による観光・宿泊需要を見込み、バリアフリーや長期滞在にも対応できる施設づくりを進めて付加価値を高める。

16日、リニューアルした客室を報道陣に公開した。6〜19階の角部屋にあたる27室で扉を引き戸に変えるバリアフリー対応などを施した。一部の客室では長期滞在する利用客が室内で簡単な調理ができるようIHコンロや食器類も備える。2019年から約10億円を投じてレストランや客室のリニューアルを進めてきた。

19階の「クラブコーナービューバスツイン」には神戸港や六甲山が見られる展望風呂を置く。元々2部屋だった場所を1部屋にして88平方メートルを確保し、広々としたつくりに仕上げた。料金は2人1室で1人約4万円から提供する。

神戸ベイシェラトンでは改装開業にあたり、長期滞在客向けにIHコンロなど簡易的なキッチンがある客室もそろえた(16日、神戸市)

運営するホテルニューアワジ神戸の木下学社長は「物価上昇に後れを取らないよう高付加価値戦略の一環として取り組んだ。部屋によるが10〜20%の単価アップを狙う」と話す。11月にはホテル3階に露天風呂付きのプライベートサウナを新たに開くなど、多様な好みやニーズに応えられる体制を整える。

神戸市では宿泊施設の開業やリニューアルが活発だ。1日にはホテルマネージメントインターナショナル(HMI、東京・中央)がJR神戸駅直結のホテル「ホテルクラウンパレス神戸」を改装し「神戸マリオットホテル」を開業した。

29年度に建て替え予定の神戸市役所新庁舎では米ヒルトンの高級ブランド「コンラッド」の開業を軸に調整している。神戸では30年ごろに神戸空港に国際定期便の就航が予定されるほか、大阪ではIRの開業が見込まれるなど関西圏の宿泊需要の一層の盛り上がりが予想される。

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