蚊を駆除するスプレーの特許権を侵害されたとして、「金鳥」ブランドで知られる大日本除虫菊(大阪市)が、アース製薬(東京都)に「おすだけノーマット」シリーズの9商品の製造差し止めなどを求めた訴訟の判決で、東京地裁は17日、特許権侵害を認めず、大日本除虫菊側の請求を棄却した。
訴状などによると、「蚊がいなくなるスプレーシリーズ」を発売する大日本除虫菊は2022年、噴射した薬剤を壁や天井に付着させて、蚊を長時間寄せ付けない技術を含んだ特許を取得した。従来は薬剤粒子を空中に長時間漂わせて蚊を寄せ付けないようにする仕組みだったが、壁に止まっている時間のほうが長い蚊の習性に着目し、1回の噴射で効果が長く持続するように噴射の強さや量を調整したという。
大日本除虫菊側は、特許は「画期的な発明だ」として、アース製薬に技術をまねられたと主張。警告を出したが、販売が続けられたため提訴した。
これに対して、アース製薬側は、「おすだけノーマット」は大日本除虫菊の特許要素を満たしておらず、特許権を侵害していないと反論。さらに、大日本除虫菊の特許は先行製品や文献に基づけば容易に発明でき、新規性がなく、そもそも無効だと主張していた。【安元久美子】
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