AWSのイベント会場㊧とオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)

【シリコンバレー=清水孝輔】米アマゾン・ドット・コムが米オープンAIに100億ドル(約1兆5500億円)を投資する方向で協議していることが16日、わかった。米ネットメディアのジ・インフォメーションなど複数の米欧メディアが報じた。オープンAIはアマゾンが手がける人工知能(AI)向け半導体の導入も検討する。

報道によると、アマゾンはオープンAIの企業価値の評価額を5000億ドル以上として投資に向けた協議をしている。アマゾン以外の投資家が加わり、より巨額の資金調達につながる可能性もあるという。

オープンAIは11月、アマゾンのクラウド部門である米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が手がけるAI向けデータセンターを利用する380億ドル分の契約を結んだと発表した。アマゾンにとっては顧客企業に投資する構図になる。

オープンAIは米マイクロソフトと提携し、最先端のAIモデルをクラウド経由で顧客企業に独占的に提供できるようにしている。AWSがクラウドで提供できるオープンAIの技術は一部のオープン型のモデルにとどまっている。

AWSは「トレーニアム」と呼ぶ独自設計のAI半導体を手がける。AI開発新興の米アンソロピックなどがすでに導入している。報道によるとオープンAIは今回の投資に合わせ、自社のデータ処理でトレーニアムの採用を検討している。

AI半導体では米グーグルが手がける「TPU」などテクノロジー企業が独自開発する動きが広がっている。オープンAIがAWSのAI半導体を採用すれば、約8割のシェアを持つ米エヌビディアの一強状態に影響を及ぼす可能性がある。

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