アナザーアドレスは初の実店舗を開く

大丸松坂屋百貨店は17日、衣料品のサブスクリプションサービス「アナザーアドレス」の初の店舗をコレド日本橋(東京・中央)3階に開店すると発表した。2026年2月6日から6月15日までの期間限定で開く。試着やスタイリストに直接相談ができる実店舗を通じ、利用者の利便性や認知度を高める。

面積は約190平方メートルで、常時800〜1000着の在庫を置く想定だ。利用者のクローゼットのような空間を目指す。洋服のほかバッグやアクセサリーもレンタルできる。試着やスタイリストからの提案といった店舗ならではの体験が売りで、ウェブ注文した商品の取り寄せも可能だ。ラウンジ空間ではセミナー開催なども検討する。

事業責任者の田端竜也氏は「最大の目的は百貨店事業との本格連携に向けた準備」と語る。出店はサービスの新規会員の獲得機会になる上、出店先の百貨店・商業施設の独自性や送客につながる。「1号店で顧客の反応やデータを確認する。数字が出れば、大丸松坂屋全店などに店舗がある状態にしたい」(同氏)

事業責任者の田端竜也氏と、商品の一例(17日、東京都江東区)

サブスクサービスのため、顧客にとっては従来のような購入のプレッシャーもない。店頭で気軽に試せる機会を通じ、伸び悩む有料会員化率の向上にも期待する。

アナザーアドレスは2021年3月に始動し、25年6月には法人向け事業も始めた。「メゾン・マルジェラ」「マルニ」など国内外460以上のブランドを取り扱う。登録会員数は約37万人、法人契約数は67事業者にのぼる。利用者の95%が三大都市圏にいることから今回都心に出店した。顧客拡大施策を本格始動し、27年度の営業黒字化を目指す。

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