松山市の石崎汽船は、松山観光港(同市)と呉港(広島県呉市)、広島港(広島市南区)との間に新造の高速船1隻を導入する。高速航行を維持した上で、快適性と環境性能を両立させた。19日に就航する。
総トン数約108トン、航海速力約27ノット(時速約50キロ)、旅客定員93人。船名はかつて松山観光港―門司港(北九州市門司区)とをつないだ高速船にちなみ「SeaMAX(シーマックス)」と命名した。客席は1階部分のみ。建造費は非公表。
新造船は、既存船に比べ航海速力、旅客定員数ともに下回るものの、騒音を抑え、振動を低減させたことで、乗船時の快適性が向上。約3割の燃料消費削減も実現した。
17日に松山観光港でお披露目式があり、同社の清水一郎社長(伊予鉄グループ社長)は「(新造船は)静かで乗り心地がいい。瀬戸内の快適な船旅を楽しんでほしい」と述べた。就航日の19日以降は、既存船との2隻体制で運航する。清水社長によると、航路を共同運航する瀬戸内海汽船(広島市南区)は来春にも同型船の導入を予定しているという。
石崎汽船は、1862年創業。松山観光港と広島県の呉・広島港間で高速船の他、フェリーも運航している。今年10月に路面電車や郊外電車、バス事業を手がける伊予鉄グループ(松山市)の子会社となった。【狩野樹理】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。