日用品卸大手のあらたは18日、スーパーやドラッグストアのPOS(販売時点情報管理)データを解析する国内大手のTrue Data(トゥルーデータ)と戦略的業務提携を結んだと発表した。トゥルーデータが持つ大規模かつ詳細な購買データを生かし、小売店に対する消費者ニーズを捉えた売り場提案につなげる。

あらたは日用品や化粧品、ペット関連商品を扱う卸で、約1100社のメーカー、約3370社の小売店と取引実績を持ち、業界トップクラスの規模を誇る。グループ会社では化粧品やペット関連商品の商品開発や販売も手掛けており、小売店の売り場づくりを支援する「提案型卸」を掲げている。

トゥルーデータは全国約6000万人分、年間約5.5兆円規模のPOSデータを運営・解析している。商品別の売れ行きだけでなく、顧客属性やリピート購入、ブランド間の乗り換えの動きなど「人」を軸にした分析を強みとする。

あらたは、これまでもPOSデータを活用してきたが、主に商品ごとの購買動向にとどまり、購入者の属性や行動まで把握することが難しかった。今回の提携を通じて、どのような顧客がどんな商品をどれくらいの頻度で購入しているのかまで分析できるようになる。売れ筋商品の把握に加え、ターゲット顧客に即した棚割りや品ぞろえ提案が可能となり、小売店の売り上げ向上につなげる狙いだ。

メーカーにとっても、消費者像を踏まえた売り場展開や商品戦略の精度が高まり、販売拡大を期待できる。

卸業界では単なる「中間流通」としての物流機能にとどまらず、データや分析力を武器に、小売りやメーカーを支援する役割が求められている。あらたは今回の提携を通じ、付加価値の高い提案型ビジネスを一段と加速させる。

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