日立建機は、産業廃棄物処理などを手掛ける石坂産業（埼玉県三芳町）と共同で、11月10〜14日にバッテリー駆動式ショベルによる電力負荷の平準化などを検証する実証試験を行ったと発表した。有線式電動ショベルと比較してピーク電力を低減できることを実証した。また、これまでディーゼルエンジン式ショベルで行っていた移動を伴う作業をこなせることも確認した。
石坂産業の敷地内プラントで試験を実施した。日立建機のバッテリー駆動式ショベル「ZE135」を商用電源とバッテリーの併用で稼働させた結果、電力供給を一定に保つことでピーク電力を抑制できることを確認した。有線式のピーク電力データと比較したところ、理論上60%低減できる見通しが得られた。
また従来ディーゼルエンジン式ショベルで行っていた移動を伴う仕分け作業では、バッテリー駆動式ショベルがバッテリーのみで稼働することで、エンジン式と同等の作業が可能になることも実証した。バッテリー駆動式の現場での運用の幅を広げられることを確認できた。
電動建機は排出ガスが出ず静音性に優れる一方、充電や電源供給といった運用上の課題がある。有線式電動ショベルの場合は、常時給電が必要なため電力インフラへの負荷集中や、ケーブル接続による移動範囲の制約がある。
日立建機は今回の実証試験で得られたデータを活用し、実践的な電動機械の運用方法を顧客に説明できるよう提案力を高めていく。
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