三重交通は、三重県桑名市と伊勢市で実証運行する自動運転バスを遠隔で監視する(19日、津市)

三重県桑名市と伊勢市は、それぞれの市内で実証運行する自動運転バスを同時に遠隔から監視する実証実験を始めた。一定条件下で運転手無しでの走行が可能な自動運転「レベル4」の実用化を目指すなか、運行人員の省人化の仕組みづくりにいかす。

19日、運行を担う三重交通の遠隔監視室を伊藤徳宇・桑名市長と鈴木健一・伊勢市長が視察した。桑名市内では長島駅〜ナガシマスパーランドの片道約12.5キロメートル、伊勢市内では五十鈴川駅〜伊勢神宮内宮の同2.5キロメートル区間を、それぞれ状況に応じて運転者が操作する「レベル2」で26日まで実証運行する。

ナガシマスパーランドと伊勢神宮は三重県内で有数の観光スポットだ。最寄り駅から観光地へ大勢の観光客が訪れており、自動運転のニーズは大きいとみる。

レベル4の社会実装について、伊藤市長は「(自動運転の)車両を購入して、データさえ取れればいつでも移行できるような準備をしている」と述べた。地元の交通事業者である三重交通と実施しているため、何かあっても対応がしやすいという優位性があるとの認識を示した。

鈴木市長は「8年後の(伊勢神宮の社殿を20年に1度造り替え、ご神体を移す)式年遷宮に向けてレベル4までいければありがたい」と述べた。

三重交通にとっても、省人化による効率的な運行の仕組みづくりは急務となっている。運転士不足による路線への影響はすでに顕在化している。

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