東京証券取引所で記者会見するギミックの横嶋大輔社長(19日、東京都中央区)

医療情報サイトを手掛けるギミックが19日、東証スタンダード市場に上場した。公開価格(1150円)を5%下回る1090円で初値をつけ、終値は1167円だった。横嶋大輔社長は同日、東京証券取引所で開いた記者会見で、「クリニックの多い都市部を中心に、集中して顧客を開拓していく」と話した。

――初値の受け止めは。今後、株価上昇に向けてどう取り組むか。

「初値に対しては評価すべき立場にないが、株価に一喜一憂することなく事業を成長させることに腐心したい。医療業界の情報を知らない投資家は多いと思われるので、投資家向け広報(IR)をしっかりやっていく。弊社はストック型のビジネスで翌年の売り上げが見えやすい事業構造をしており、安定した企業ということも知ってもらいたい」

――事業の強みや競合との差異は何か。

「クリニックはレピュテーションリスク(評判を害する恐れ)に敏感だ。悪い風評が広がれば受診する患者の減少に直結する。我々は客観的に、医療機関を取材して情報を読者に届けようとしている。正確な情報発信を通じて医療機関から信頼を得られている点が強みだ」

「競合については、外形的に似ているウェブサイトはいくつかあるものの、定額の利用料を毎月もらうというビジネスモデルをとる我々とは相当に差異があると考えている。したがって競合についてはあまり気にしていないというのが実情だ。医師は診察やクリニック経営の時間を除けば1日あたり5時間ほどしか余裕がない。こうした合間の時間に営業し、医師との関係性を築いている点に我々の独自性がある」

――成長に向けての戦略をどう描くか。

「成長モデルは非常にシンプルで、顧客数を拡大し、単価を上げる。ウェブサイトだけでなく地域密着型の医療雑誌や経営効率化サービスといった複数のクロスセル(併売)で医療機関にアプローチする。現在すべてのサービスを利用してもらった場合、200万円まで顧客単価を上げられる」

「マクロでみればクリニックの受診者数は増加傾向にある。大都市圏などクリニックが多い地域を中心に、集中して顧客を獲得しにいく。地方都市については現地採用した人材を本社や支社で統括しながら開拓し、代理店の活用も検討する」

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