永守重信氏

 モーター大手ニデックは19日、創業者の永守重信氏が同日付で代表取締役グローバルグループ代表(取締役会議長)を辞任したと発表した。非常勤の名誉会長に就いた。取締役会議長は岸田光哉社長が引き継ぐ。

 永守氏は19日、「ニデックが早く再生し、生まれ変わることが一番の願い。今後のニデックの経営は、岸田社長にすべて委ねる。これでニデックは、しっかり再生できると信じている」とのコメントを出した。

 ニデックは9月、中国の子会社で不適切な会計処理の疑いが見つかったほか、ニデックとグループ会社で「経営陣が関与または認識していたもとで不適切な会計処理をしていたことを疑わせる資料が複数発見された」と明らかにした。

 問題は第三者委員会が調査を続けている。監査法人は2025年3月期のニデックの有価証券報告書を「意見不表明」とした。10月には、東京証券取引所がニデック株を内部管理体制の改善を求める特別注意銘柄に指定した。

 永守氏は1973年にプレハブ小屋で創業し、売上高2・6兆円(24年度)の世界的企業に成長させた。ニデックは「今後は名誉会長として、創業精神の伝承をはじめとし、グループの永続的な価値向上に尽力していく」と説明した。【小坂剛志】

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