記者会見する林会長(19日、東京都千代田区)

電気事業連合会の林欣吾会長(中部電力社長)は19日、青森県むつ市にある使用済み核燃料の中間貯蔵施設の運用の見直しについて支持する考えを示した。出資会社である東京電力ホールディングス(HD)と日本原子力発電が同日、両社以外の大手電力との共同利用を検討する案を青森県に伝えていた。

電事連の林会長は19日の定例記者会見で共同利用に向けては「地元の理解があることが大前提だ」と強調した。電事連は2020年に中間貯蔵施設の共同利用の検討を表明したが、地元自治体の意思を尊重していないと反発を受けた過去がある。

林会長は今回の共同利用の案について「電事連として中身に関与していない」と述べた。その上で「基本的に個社で対応すべきことだが、技術やマネジメント、情報共有などの面で支援できることがあれば支援したい」と語った。

報道陣から中部電力社長として共同利用について関心があるか問われると「関心はあるが具体的に動いているわけではない」と答えた。

また同日、北海道の鈴木直道知事が北海道電力泊原子力発電所3号機(北海道泊村)の再稼働に同意することを経済産業省に伝えたことについては、「大変意義深い。議論を重ねてきた地元の皆さんに敬意を表したい」と話した。北海道電力に対しては「安全に運転するとともに丁寧な情報提供を行っていただきたい」と求めた。

米国時間17日に米財務省による日本のサハリン2の液化天然ガス(LNG)調達に関する制裁例外期限が約半年延長されたことに関しては、「サハリン2に対する燃料調達上のリスクが当面低下した」と評価した。

中部電力が浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の工事で正式な契約変更と精算手続きを行っていなかった不適切事案については、中部電社長として「心より深くおわび申し上げる」と陳謝した。原因の調査や再発防止策の立案に注力するとともに、「内部統制を適正化して社会から信頼される原子力事業に取り組む」と話した。

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