JR四国(高松市)は19日、愛媛県西条市の漁協と連携して陸上養殖したサーモン「サイモン」の販売を始めた。県内外の飲食店で提供が始まり、同市のふるさと納税の返礼品としても提供する。
JR四国は、伸び悩みが続く鉄道事業以外での収益拡大を目指し、サーモンの陸上養殖への参入を決定。2024年8月から熊本県八代市内で試験的に養殖を開始した。
試験養殖が順調に推移したことを受け、25年4月、愛媛県西条市の県漁業協同組合ひうち支所と連携し、同市内でサーモンの陸上養殖を始めた。支所敷地内にいけす(直径5メートル、深さ1・5メートル)を13基設け、「うちぬき」と呼ばれる豊富な地下水を使って稚魚約4750匹を育ててきた。
養殖施設がある同市は、サーモンを市を代表するブランドに育てようと名称を募集。約2200件の応募から「サイモン」に決めた。
JR四国事業開発本部長の平田成正常務は18日、松山市の県庁で記者会見し、「非鉄道部門の強化として取り組んだ。スタートラインに立てた」と話した。事業を担当する同本部の森田雅祐担当部長は「さっぱりした味。生で食べていただきたい」とお勧めの食べ方を説明した。当面は約700匹を順次出荷する。
同社は30年度に売り上げ1億円を目指し、今後、いけすの増設や西条市外での施設設置など事業拡大を検討するという。
サイモンを提供するのは、かどや大街道店(松山市)▽OKUe.the CRAFT DINING-BAR(同)▽Kitchenしゃいん(愛媛県西条市)▽かどや本店(同県宇和島市)▽日本料理「瀬戸」(高松市)▽レストラン「フィオーレ」(同)。【狩野樹理】
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