JA全農とちぎ(宇都宮市)は2025年産の主食米を集荷する際に生産者へ支払う前払い金(概算金)を前年同時期に比べて大幅に引き上げた。関係者への取材で分かった。県内の主力品種であるコシヒカリの1等米の概算金を1俵(60キログラム)あたり2万8000円で決定したという。24年産より約70%(約1万1700円)引き上げた。

コシヒカリ以外の品種では、栃木県北で収穫される「なすひかり」と県南の「とちぎの星」をそれぞれ2万7400円、業務用に使う「あさひの夢」を2万7200円と決めた。24年産からの引き上げ幅はいずれも約75%となる。

このほど県内の各JAに提示した。JA全農とちぎの担当者は「高騰する燃料費や肥料代など生産コストなどの上昇分を反映した」と説明。生産者に後継者を育成する余力が生まれるようにも配慮したと強調した。

コメの集荷を巡る競争が激しさを増すなか、JAとしては概算金を引き上げることで、確保する量を増やしたい思惑がある。概算金はここ数年、21年産の9000円を底に年々上昇している。

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