ロームは22日、インド大手財閥タタ・グループ傘下のタタ・エレクトロニクスとパワー半導体製造で協業すると発表した。第1弾としてロームがインドで開発・設計したパワー半導体をタタが生産し、2026年から量産する計画だ。今後は高付加価値品の共同開発も検討する。インド政府が半導体産業を振興しているのを追い風に、両社で事業を広げていく。

ロームとタタ・エレクトロニクスはパワー半導体の生産で協業する(中央がロームの伊野和英取締役常務執行役員)

まずはシリコン基板を使った車載向けパワー半導体を共同生産し、インド市場向けに販売する。ロームがウエハーに回路を形成する前工程、タタが組み立てなどの後工程を担う。これまでロームはタイやフィリピンなど後工程を手掛けるグループの拠点を通じ、インド市場に供給していた。

インド政府やタタは経済安全保障の観点から、インド国内で原料を含めた半導体サプライチェーン(供給網)の構築を目指している。インドで生産することで現地企業から製品を採用されやすくなるほか、リードタイムも短くなるとみる。併せて両社でマーケティングも連携して販路を開拓する。

モディ政権は製造業振興策「メーク・イン・インディア」を掲げ、半導体産業の誘致・育成を進めている。タタもインドに半導体の新工場を建設している。経済成長で自動車や電機産業向けの半導体需要は伸びが見込め、今後は共同生産するパワー半導体の種類を増やす方針だ。

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