
日東電工は25日、赤木達哉取締役常務執行役員(55)が2026年4月1日付で社長に昇格すると発表した。最高執行責任者(COO)を兼任する。社長交代は12年ぶり。高崎秀雄社長(72)は代表権のある会長に就く。最高経営責任者(CEO)の役職は続投する。26年度から始まる新たな中期経営計画を新社長の下で進める。
赤木氏は同日の記者会見で「新中計を達成し、30年以降の新たな成長戦略をしっかり描きたい」と述べた。26年5月に発表予定の新中計ではマーケティングの強化などに取り組むとした。
赤木氏は偏光板などの光学材料事業の担当が長く、直近は事業部門長として主力事業の成長を率いた。市況の変化が激しい同事業のシェア拡大に貢献した。10年からは台湾の現地法人で幹部を務め、アジアでの事業基盤を築いた。
日東電工は大手スマホメーカーなどの顧客向けに、光学材料や産業用テープなど高付加価値で競合の少ない新製品を次々と出すニッチトップ製品で事業を拡大してきた。赤木氏は「私が社長になってもニッチトップ戦略を変えるつもりはない。常にトップシェアを目指し、プレゼンスを上げる」と語った。
高崎氏は14年の社長就任後、ESG(環境・社会・企業統治)を核とした経営改革を進めた。25年3月期の売上高が初の1兆円台に達するなど業容拡大をけん引した。高崎氏は、赤木氏を「ニッチトップ戦略を理解し、戦略的思考にも優れている」と評価する。
現在は高崎氏がCEOとCOOを兼任している。高崎氏は4月以降CEOとCOOを2人で担当することにした理由について「企業規模が大きくなり、1人で両方を担うのが難しくなった。赤木氏には事業執行に全力で立ち向かってもらい、私は経営の土台を築く。当面は二人三脚でやりたい」と説明した。
赤木達哉氏(あかぎ・たつや)1993年(平5年)関西学院大法卒、日東電工入社。19年執行役員、24年から現職。【関連記事】
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