経団連審議員会に出席し、筒井義信会長(左)と握手する高市早苗首相=東京都千代田区で2025年12月25日午後0時32分、小林努撮影

 高市早苗首相は25日、経団連の会合で2026年の春闘に向け、「物価上昇に負けないベースアップの決意をお願いする」と経済界に要請した。

 経団連が今年の活動内容を報告する審議員会に来賓として出席した。政府が企業への成長投資支援などを通じ、継続的な賃上げを後押ししていくとして「日本列島を強く豊かにしていく。一緒に闘っていただきたい」と呼びかけた。

 経団連の集計では大手企業の賃上げ率は24、25年と2年連続で平均5%を超えた。26年春闘に向け、経団連の筒井義信会長は「賃金引き上げの力強いモメンタム(勢い)のさらなる定着に取り組む」と表明した。

 会合では日銀の植田和男総裁も講演した。日銀が実施した企業ヒアリングの情報などから、来年も「しっかりとした賃上げが実施される可能性が高い」と分析。また、賃金上昇を伴う物価安定目標の実現に「着実に近づいている」とし、経済・物価の改善に応じて「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことになる」と語った。【加藤美穂子】

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