三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、2026年度から3カ年の中期経営計画で、生成AI(人工知能)をはじめとするIT分野に1兆円投資する方針を掲げる。現行計画より2000億円増。中島達社長は「金融機関の競争力は今やIT開発と一体。ここにお金をかけないと競争力は維持できない」と語る。
デジタル化の柱と位置付ける個人向け金融管理アプリ「オリーブ」は25年内に700万口座を見込む。同業他社と比べ使い勝手に定評があり、中島氏は「一朝一夕でひっくり返されない。使い勝手で優位性をキープし、競争力を維持していく」と意気込む。
5月に利用が始まった中小企業のデジタル決済などを支援するサービス「トランク」も2万5000口座に達した。法人口座のオンライン申し込みが可能で、最短で翌営業日に開設できる。利用者にとっては経理業務の負担軽減、銀行側には中小企業などの決済性預金の獲得が期待できる。
日銀の利上げなど金融引き締め局面にあるが「マクロでは預金は今後増えない」とみており、オリーブやトランクを軸に「個人や中小企業の決済性資金を集める重要性が今まで以上に増している」と話す。
一方、株式市場でのAIブームの過熱感については「可能性は大きくないが崩壊リスクはある。来年はまだ持つかなとも思うが、どこかで一度は調整局面がある気がする」と警戒感を示す。【山口智】
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