記者会見に臨む市川典男社長(25日、大阪市中央区)

象印マホービンは25日、2026年11月期の連結純利益が前期比20%減の48億円になる見通しだと発表した。米国の関税政策の影響でコスト増を見込むほか、人件費や子会社の社屋移転費用などがかさむ。年間配当は普通配当で46円を予定し、前期比の同40円から6円積み増す。

売上高は2%増の925億円を見込む。国内で高価格帯の炊飯器などの販売増や香港の子会社が連結対象になることが寄与する。一方、営業利益は66億円と11%減る。

同日発表した25年11月期の連結決算は、売上高が前の期比5%増の911億円、純利益が7%減の59億円だった。前期の年間配は特別配を従来予想から18円増やし、普通配と合わせて82円に修正した。

決算記者会見で市川典男社長は「最上位モデルの炊飯器『炎舞炊き』が大阪・関西万博でのPRなどで知名度が上がった。コメ不足のなかで、せっかくならいい炊飯器で炊こうという消費者も増え、高級機種の売り上げが増えた」と話した。

象印は同日、28年11月期まで3カ年の中期経営計画も発表した。最終年度の28年11月期に連結売上高を25年11月期比10%増の1000億円、営業利益を22%増の90億円へ引き上げ、自己資本利益率(ROE)8%をめざす。

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