日本郵船は、横浜市山下公園前に係留保存している「日本郵船氷川丸」の長期保存に向けた有識者会議を2026年1月8日に開催し、長期保存プロジェクトを本格始動すると発表した。船舶の保存や建築に関する専門家が参加し、大規模修繕に向けた基本方針や地域の活性化に向けた協議を進める。
同船は1930年に横浜で建造された、戦前の日本で建造され現存する唯一の貨客船だ。当時の造船技術や客船の内装を伝える貴重な産業遺産として、2016年に国指定重要文化財に指定された。
建造から95年を迎え老朽化が進んでいることから、長期保存のための大規模修繕に向けて船体の安全性・健全性を確認する調査を2024年から進めてきた。各種調査は引き続き進行中だが、現段階での調査結果を踏まえて有識者会議を開催する。
会議には船舶の保存や建築に関する専門家が参加し、大規模修繕に向けた基本方針や横浜ウオーターフロントエリアの活性化につなげるための保存・展示方法を協議する。今後、長期にわたって継続的に公開していくため、安全を最優先に国内外の知見を結集してプロジェクトを進める。
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