来年の通常国会での法案提出を「考えていない」と述べた上野賢一郎厚生労働相=東京都千代田区で2025年12月26日午前11時6分、寺原多恵子撮影

 上野賢一郎厚生労働相は26日の閣議後記者会見で、働き方改革関連法の見直しに伴う労働基準法改正案の、来年の通常国会への提出を見送ると表明した。厚労省は最速で来年の通常国会への提出を検討していたが、高市早苗首相が指示した労働時間規制の緩和検討などで議論の仕切り直しを迫られ、提出を見送る形となった。

 上野氏は会見で、「26年の通常国会での法案提出は現在のところ考えていない。審議会と分科会の議論を踏まえて必要な改革を進めていく」と述べた。政府は首相直轄の日本成長戦略会議に上野氏をトップとする労働市場改革分科会を設置する方針で、来年夏をめどに分科会が示す方向性なども踏まえ、法案の提出時期を検討する。

 労働基準法は残業時間の罰則付き上限などを定める。厚労省は、働き方改革関連法の施行5年後の見直しとして、1月から労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で基準法などの改正に向けた議論を進めていた。14日以上の連続勤務の禁止や勤務間インターバルの規制強化などが見直しの主な論点だった。【塩田彩、寺原多恵子】

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