岐阜工場で製造した抗菌薬の原料(岐阜県北方町)

明治ホールディングス(HD)傘下のMeiji Seikaファルマは26日、岐阜県内の工場で肺炎の治療などに使う「抗菌薬」の原料生産を再開した。国内での生産は約30年ぶり。これまではほぼ全量を中国からの輸入に依存していたが、経済安全保障上のリスクが高いとして国産原料を供給する。

生産を再開した抗菌薬原料は「6―アミノペニシラン酸(6-APA)」。1994年に生産から撤退し、その後、国内産の供給は途絶えていた。10月、岐阜工場(岐阜県北方町)に設備を新設し、生産の準備を進めていた。同工場の生産能力は最大年200トンで、国内で必要とされる量をすべてまかなえる見通しだ。

「ベータラクタム系」と呼ぶ抗菌薬の原料は、これまで中国などからの輸入にほぼ100%頼ってきた。供給が止まると治療や手術ができなくなるおそれがある。

Meiji Seikaファルマは抗菌薬原薬の国産化に向けて大塚ホールディングス傘下の大塚化学(大阪市)、富士フイルムホールディングスの富士フイルム富山化学(東京・中央)と連携している。今回製造した原料も、今後大塚化学や富士フイルム富山化学へ出荷する。

Meiji Seikaファルマは26日、薬剤耐性(AMR)を持つ細菌に有効な抗菌薬「ナキュバクタム」について、国内で製造販売を申請したと発表した。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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