
戦後80年、その時々を生きた人々は様々な課題と向き合ってきました。消費税、55年体制、インターネット、働き方と家族……。キーパーソンの証言から現在や未来へのメッセージを探ります。
「消費税、政治が負担の話から逃げては困る」 吉川洋・東大名誉教授
――戦後80年間で日本人の平均寿命は大きく延びました。
「私が生まれた1951年の平均寿命は先進国で最も短かった。世界トップクラスに長くなったのは100%戦後日本の成果です。理由は3つあり、経済成長で所得が順調に増えたことと社会保障制度の充実、そして医療です…記事を読む
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「政治改革は失敗が多かった」 河野洋平元自民党総裁

――戦後80年の日本政治をどう評価しますか。
「80年間の大半は政府が強くて党が弱い『政高党低』が続いた。占領軍を背中にした吉田茂政権は非常に強い政府だった。これに対して、政党として国民本位の政治をめざしたのが三木武吉などで、保守合同により自民党を…記事を読む
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男女の雇用「40年前と違う世界」 均等法策定に携わった岩田喜美枝氏
――国連の女子差別撤廃条約を批准する条件の一つが男女雇用機会均等法の制定だった。
「国内ではすでに若年定年制や賃金格差を裁判で争ったり、結婚後も働く女性が出てきたりと労働市場は変化しつつあった。そういう国内の状況と、諸外国の男女平等法制を見ていた労働省は早く法整備をしたかった。だが働き方の実態は男女で全く違っていた…記事を読む
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「放っておかれた過疎、震災で見えた」 御厨貴・東大先端研フェロー
――戦後の都市と地方をどう見るか。
「戦争に負けて、戦前との転換点があった。GHQ(連合国軍総司令部)が言ったのは『日本はなぜ外のフロンティアばかり開拓して内なるフロンティアを開拓しなかったのか…記事を読む
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ネットもAIも「諦めたら試合終了」 川辺健太郎LINEヤフー会長
――大学在学中の1995年11月23日にウィンドウズ95が発売になりました。
「東京・秋葉原の電器店で行列に並び、購入したのを覚えている。当時からネットが普及すると思っていたものの、これほどの規模になったのは想定外だった。パソコン通信より大きくなるとは思っていたが…記事を読む
【MESSAGE 戦後80年】
- ・不人気政策「消費税」訴える覚悟 社会保障の負担は全世代で
- ・自民1党優位の栄枯盛衰 多党化時代、政治の再生探るとき
- ・「共働き・共育て」理解し支える社会に 80年で家族や働き方変わった
- ・都市と地方、一極集中から共存へ 地域の誇りを東京圏の若者に
- ・「情報の民主化」を進めたヤフー スマホ・SNSで一変、AIで再び
- ・バブル・日米安保・憲法・ものづくり…証言で振り返る戦後80年
- ・ノーベル賞・万博・東日本大震災・温暖化…証言で振り返る戦後80年
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