
政府が大規模太陽光発電所(メガソーラー)の規制強化策をまとめた。各地で自然や景観の破壊につながる建設が起きていることが背景にある。無秩序な開発に歯止めをかける狙いは評価できる。
脱炭素社会の実現へ再生可能エネルギーの拡大は必須だ。太陽光はその柱で、停滞させるべきではない。地域や環境と調和を図ったうえで、国は普及を促すための新たな戦略を詰める必要がある。
北海道の釧路湿原国立公園周辺や千葉県鴨川市などで、森林を切り開いてメガソーラーを建設し、住民とトラブルになった。こうした問題は各地で起きている。問題が続く事業者には、貴重な野生生物や自然環境、地域への配慮が欠けていると言わざるをえない。
対策は約20項目に及ぶ。柱となるのは安全対策への監視強化や、環境影響評価(環境アセスメント)の対象範囲の拡大だ。市場価格に上乗せして電気を買い取る制度についても、2027年度から新規事業への補助をやめる方針だ。
運用の見直しだけでなく、法律や規則の改正が必要な事項も多い。早急に実施し、実効性の確保に努めてほしい。
東日本大震災以降、国は再エネ拡大を目指し、補助金制度を充実させ、規制も緩和してきた。乱開発が止まらないのは政策に穴があったからでもある。国は今回まとめた対策についても定期的に見直し、改善に努めねばならない。
地域と対話しながら誠実に取り組む事業者もいる。国は地域との共生と国民負担の抑制を図りながら、再エネの最大限の導入を目指す方針だ。優良事業者への支援は継続することが重要となる。
太陽光はまだ拡大できる。住宅や公共施設の屋根、耕作放棄地などに設置の余地がある。農業をしながら発電する「営農型」の活用も注力すべきテーマだ。
企業に直接、再エネ電気を売る取引も増えており、太陽光の新規開発の中心になるだろう。事業者が問題を起こせば、買い手企業の責任も問われると認識すべきだ。
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