
中部電力は5日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の原子力規制委員会による審査で、規制委に報告する地震の波の評価方法について、規制委が求めていたのとは異なる方法で報告していたと発表した。林欣吾社長は原子力部門の意識改革に向けて「解体的な再構築を視野に入れて覚悟を持って取り組んでいく」と話した。
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地震動を過小評価
――意図的に代表となる波を選んだ結果、想定される地震の大きさは小さくなったのか。どうして意図的に選んだのか。
林氏「ヒアリングの結果としては、意図的に選定し地震動を過小評価していた。具体的にどのくらい(過小評価したのか)、どのような理由だったのかは第三者委員会の調べを待つ」
――担当者レベルでやってたのか、上からの指示があったのか。
林氏「これまでの調査では原子力土建部の社員が関与していた」
長谷川聡コンプライアンス本部長「(ヒアリングの対象は)かかわったとみられる担当者十数名だ」
社内から問題指摘の声も
――社内からのブレーキは無かったのか。
長谷川氏「問題を指摘する声はあったと確認している。ただ、その後どのように対応したのか、なぜ問題を防げなかったかは確認できていないので第三者委員会に引き継ぐ」
――原子力部門でこういう事案が次々発覚しているのはどういう背景があるのか。
林氏「本事案は地域の皆様をはじめとするステークホルダーの皆様から、当社の原子力事業に対する信頼を失墜させ、事業の根幹を揺るがしかねない重大な事案であると、きわめて深刻に受け止めている」
林氏「不適切な調達案件に続きこのような事案が発覚し、浜岡原発を運営する原子力事業者としての適格性を疑われると痛感している。第三者委員会の報告も踏まえるが、原子力部門の解体的な再構築を視野に入れて覚悟を持って取り組んでいく。業務には意識と行動の側面がある。意識も変え、行動のしやすさも見直す」
――林氏の電気事業連合会会長としての責任は。
林氏「本件は大変重要な問題であり、加盟各社にも多大な影響を与える可能性がある。責任は重大だ。まずは私から各社におわびした上で、現時点で話せることを丁寧に話したい。(第三者委の調査を踏まえ)今後、総合的に考える」
――浜岡原発の3・4号機はプラント審査に入っている。
豊田哲也執行役員「昨年12月22日以降、審査は停止している。今回の疑いがあると認定した時点で原子力規制庁に報告し、それに対して『当面審査は停止する』と指示を受けた」
林氏「規制庁の方にも多大なご迷惑とご心配をかけている。心からおわび申し上げる。今後は規制庁の判断にゆだねる」
――審査の抜本的な部分からやり直さないといけないのでは。
豊田氏「事実として認定されれば、そこに至るだろう」
――地元にとって浜岡原発の地震対応は重いテーマだ。
林氏「何より優先すべき信頼を損ないかねないことは重大だ。(対応策を)早く、しっかり計画して実行に移すことで、地域の理解を得られるように丁寧に説明する」
――第三者委員会の報告などの期限は。
林氏「具体的には決まっていない」
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