(左から)サントリーの西田英一郎社長、多田寅・ブランド部門長=東京都港区で2026年1月13日、鴨田玲奈撮影

 サントリーは13日、東京都内で記者会見を開き、10月の酒税法改正を見据えた主力ビール商品の販売戦略を発表した。2003年に販売を開始した高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ(プレモル)」のパッケージのベースカラーを金から紺に大幅刷新し、味も進化させた。酒税法改正でビール系飲料の税率が統一されるため、減税となるビールの販売戦略を強化している。

 サントリーによると、プレモルブランドの25年の販売実績は、物価高で節約志向が進む中、ビールの値上げなどが響き、前年比7%減と苦戦が目立った。

リニューアルした「ザ・プレミアム・モルツ」。パッケージのベースカラーを金から紺に大幅刷新した=東京都港区で2026年1月13日、鴨田玲奈撮影

 同社の調査では350ミリの缶ビール1本を飲みきる時間の平均が19年の約15分から、24年は約30分に延びており、「ながら飲み」など飲用スタイルの変化が起きているという。多田寅・ブランド部門長は「プレミアムビールの価値を伝えにくかった部分はあるが、チャンスは見えている」と強調した。

 プレモルは「長い時間、飲むのにふさわしいビール」(多田氏)といい、味やうまみの引き出し方を変え、深いコクと心地よい余韻を進化させた。多田氏は「発売以来、一番大きな刷新。シーンや飲み方にこだわった」と力を込める。

 25年の販売実績が前年比4%増と好調なサントリー生ビールもパッケージを一新し、爽やかな青色をベースにした。原料配合や仕込み条件を見直し、飲みごたえにこだわった味わいを目指す。飲食店での取扱店数は25年12月時点で2万8000店と約2年で4倍に拡大している。

サントリーが展開するビール類商品=東京都港区で2026年1月13日、鴨田玲奈撮影

 また、第3のビール「金麦」は10月からビール化する。麦芽比率をビールと同水準に引き上げる。価格帯はこれまで通り発泡酒の水準を維持したまま価値を高め、ビール類市場全体の活性化を狙う。

 サントリーのビール事業はアサヒビール、キリンビールに次ぐ業界3位。1月1日に就任した西田英一郎社長は「酒税法改正を控え、大票田の金麦が(ビールの)市民権を得られるようなブランドにできるか。サントリーのビールシェアは推計で2割ほど。(サッポロビール含め)4社の中で25%で一人前とよく言われる。まずは(25%を取って)スタートラインに立ちたい」と述べた。【佐久間一輝】

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