キヤノンは13日、半導体の製造工程においてウエハー上の凹凸を均一に整える新手法を開発したと発表した。インクジェットで吹き付けた樹脂材料の上から、「ハンコ」のようにガラス板を押しつけて平らにする。表面の凹凸を実寸5ナノ(ナノは10億分の1)メートル以下に抑え、先端品の歩留まり向上につなげる。

同社はウエハー上に微細な回路を描く露光工程で、ハンコのように回路をつくる「ナノインプリント」製造装置を2023年から販売している。この技術を応用し、別の製造工程においてウエハーの表面を平らにする技術を、世界で初めて開発した。

新手法では、インクジェットで特殊な樹脂材料をウエハー上に吹き付ける。その後、平らなガラス板を押しつけて、平らにする。業界で主流の直径300ミリメートルの丸形ウエハーを一度に平らにでき、表面の凹凸を5ナノメートル以下に抑えられる。

これまで業界では「スピンコート」と呼ばれる薄膜の形成技術や、研磨を繰り返す「CMP」と呼ばれる技術が用いられてきた。ただし凹凸を平らにする精度が低かったり、工程が複雑になったりする課題があった。

キヤノンは表面を平らにする新手法を備えた製造装置を27年中にも製品化し、新市場を開拓する。先端のロジック(演算用)半導体や、メモリー向けの需要をねらう。

生成AI(人工知能)などに求められる先端半導体は性能を高めるために、複数の層を積み重ねてつくる。各層にわずかな凹凸ができると、不良品になるなど性能に直結する。

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