
九州電力子会社の九電みらいエナジー(福岡市)は14日、軽くて柔軟性の高い次世代型太陽電池「カルコパイライト太陽電池」の展示ブースを福岡空港に設けた。12月から同空港国際線ターミナルビルの屋根に同型の太陽光電池を設置して実証試験を進めており、最新の太陽電池を広く紹介して量産後の普及拡大につなげる。
展示ブースは国内線ターミナルビル2階の航空会社ラウンジ前にある催事エリアに2月26日まで設ける。カルコパイライトの薄さや軽さ、柔軟性を体験できるレプリカを用意したほか、屋根への施工の様子を動画で流す。みらいエナジーが手掛ける洋上風力発電など再生可能エネルギー事業を紹介するジオラマも設置した。
同日展示ブースを訪れた福岡県の服部誠太郎知事は「発電効率や施工、コストやメンテナンス性を検証・公表し、企業への導入のきっかけとしたい」と期待を込めた。

みらいエナジーの水町豊社長は「一般の方にも次世代太陽電池や再生可能エネルギーへの関心を高めてもらいたい。年間2500万人が利用する福岡空港での発信は今後の啓発に大きな意義がある」と話す。
実証設備は2025年12月16日に設置工事を始めて同19日に完了した。2月26日まで実証データを収集する。「従来の太陽電池と比べて軽く作業性が高い。工事スピードもはやく、短期で設置できた」(みらいエナジーの田中義人太陽光事業部長)という。
実証設備の面積は12平方メートルで容量は約1.2キロワット。既に太陽光パネルが設置されている場所の横に設置し同条件下での性能を比較する。設置箇所は屋根の形状の問題で従来品では施工が不可能な場所という。
カルコパイライトは重さが1平方メートルあたり0.8キログラム。既存のシリコン型太陽電池と比べて発電効率は若干下回るが、重さは約20分の1だ。近年開発が進む薄型の「ペロブスカイト太陽電池」よりも軽量で耐用年数が長い。
水町社長は薄型太陽電池について「太陽光発電の適地は減少しているが、屋根や壁面は重量物を設置する設計になっておらず、設置をあきらめていた企業が多い。これまで置けなかった場所に置いて発電量を増やせるのが最大のメリットだ」と話す。
ペロブスカイトは主に紫外光で、カルコパイライトは赤外光で発電する。将来は両方を組み合わせて発電効率を28%まで高める「タンデム型」の活用が期待されている。一方のみ設置した場合と比べてコストは約10%増えるものの、発電効率は1.5倍に高まり、既存の太陽電池を上回る見込みだ。
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